■ブルーラジカル治療の概要
ブルーラジカル治療は、特殊な青色光(波長405nm)と低濃度の過酸化水素水(3%)を用いて、歯周病の原因となる細菌を強力に殺菌する、新しい光殺菌(PDT: Photo Dynamic Therapy)技術を用いた治療法です。歯周ポケット内に潜む細菌を直接攻撃し、歯周組織の炎症を改善に導きます。
■従来の歯周病治療との違い
従来の歯周病治療は、主にスケーリング・ルートプレーニング(SRP)と呼ばれる器具を用いた機械的な歯石・プラークの除去が中心でした。これに対しブルーラジカル治療は、機械的な除去に加えて、光化学反応による強力な殺菌効果をプラスする点が大きな違いです。これにより、歯周ポケットの奥深くに潜む細菌や、薬剤耐性を持つ細菌にも効果を発揮し、バイオフィルム(細菌が形成する膜)の除去も効率的に行えます。また、外科的な処置を伴わないため、患者様の身体的な負担が少ない点も特徴です。
■厚生労働省の認証について
ブルーラジカル治療システムは、その安全性と効果が認められ、厚生労働省から医療機器としての認証を受けています。安心して治療を受けていただける、科学的根拠に基づいた治療法です。
ブルーラジカル治療は、以下のステップで歯周病菌を効果的に殺菌します。
1.薬剤の注入: 歯周ポケット内に、光感受性物質を含む低濃度(3%)の過酸化水素水を注入します。
2.青色光の照射: 特殊なファイバー付きのチップから、特定の波長(405nm)を持つ安全な青色光を歯周ポケット内に照射します。
3.フリーラジカル(ヒドロキシラジカル)の発生: 光エネルギーを受けた過酸化水素水が化学反応を起こし、強力な殺菌作用を持つ「フリーラジカル(ヒドロキシラジカル)」を大量に発生させます。
4.歯周病菌の殺菌: 発生したフリーラジカルが、歯周病の原因となる細菌の細胞膜や遺伝子を瞬時に破壊し、強力に殺菌します。
5.バイオフィルムへの効果: フリーラジカルは、細菌が強固に形成するバイオフィルム内部にも浸透し、効果的に破壊・除去します。
6.超音波振動による物理的除去: 治療に使用するチップは超音波で振動しており、光殺菌と同時に歯石やプラークを物理的に除去する効果もあります。
この一連の作用により、従来の治療では届きにくかった深い歯周ポケットの内部まで、効果的に殺菌・清掃することが可能です。
当院では、ブルーラジカル治療の持つ高い殺菌力に着目しています。
この治療法は、歯周病の進行を抑え、病状の悪化に効果的に働きかけることができる有力な手段であると考えています。しかし、従来の物理的な清掃(超音波スケーラーなど)による治療と同様に、歯周病そのものを完全に治癒させたり、一度失われてしまった歯を支える骨などの歯周組織を再生させる治療ではないことをご理解いただいております。
歯周病には進行度に応じたステージがあり、重度(ステージIVなど)で他院にて抜歯の適応と診断されるような進行した状態の歯については、病状がかなり進んでいるため、ブルーラジカル治療単独での保存が困難な場合も少なくありません。
現代の歯科医療においても、残念ながら歯周病を発症前の健全な状態に完全に回復させることは依然として難しい側面があります。
そのような現状において、ブルーラジカル治療器は、世界で初めて歯周病の原因菌に対して高い殺菌効果を持つことが科学的に実証され、厚生労働省にも医療機器として認可された画期的なシステムです。
当院では、このブルーラジカル治療を、患者様の歯周病と闘うための重要な治療選択肢の一つとして活用しております。
ブルーラジカル治療には、従来の治療法と比較して多くのメリットがあります。
当院は、長年にわたり歯周病治療を専門的に行ってきた歯科医院として、豊富な知識と経験に基づいた質の高い医療を提供することをお約束します。
・専門医による診断と治療計画:
歯周病の専門知識を持つ歯科医師が、精密な検査に基づき、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせた最適な治療計画をご提案します。ブルーラジカル治療が最善の選択肢であるかを慎重に判断し、他の治療法との組み合わせも含めて検討します。
・日本歯周病学会認定歯科衛生士が在籍:
当院には、歯周病治療のプロフェッショナルである日本歯周病学会認定の歯科衛生士が在籍しております。
日本歯周病学会認定歯科衛生士とは特定非営利活動法人 日本歯周病学会が設けている「学会認定資格」で、2021年8月現在、全国各地47都道府県で1,242名の方が取得されています。歯周病への対応を的確かつ効率的に実施し、長期間にわたり国民の健康管理に貢献することを目的に制定された、歯科衛生士の認定制度です。また、日本歯周病学会は数ある歯科関連学会の中でも有数の、厚生労働大臣に届け出がなされている団体でもあります。
当院ではブルーラジカル治療のトレーニングを受け、その技術を習得した経験豊富な歯科医師・歯科衛生士が在籍しております。
・リアルタイムPCR検査を実施:
当院ではブルーラジカル治療実施前後に歯周病の菌数がどれだけ減少したか、効果があったかを測定するための歯周病菌数検査を実施します。このことにより正確に治療の効果を測定できます。
・エクセレントペリオコースも併用可能:
当院ではブルーラジカル以外にも専門的な歯周病治療として「エクセレントペリオ」という歯周病治療も行っております。
必要に応じてこのような治療方法を併用することも可能です。
・位相差顕微鏡検査を実施:
治療前には患者様のお口の中の状況を視覚的に見ていただける位相差顕微鏡検査を導入しております。
・患者様への丁寧な説明と配慮:
治療前には、治療内容、効果、リスク、費用などについて、患者様が十分に理解・納得できるよう、分かりやすく丁寧にご説明します。治療中も、痛みの有無などを確認しながら、できる限り快適に治療を受けていただけるよう配慮いたします。
・治療後の継続的なサポート:
歯周病は再発しやすい病気です。治療後のメンテナンスが非常に重要であるため、当院では定期的な検診とプロフェッショナルケアを通じて、患者様のお口の健康を長期的にサポートしてまいります。
歯周病でお悩みの方、従来の治療でなかなか改善が見られなかった方、できるだけ負担の少ない治療を希望される方は、ぜひ一度当院にご相談ください。ブルーラジカル治療が、皆様のお口の健康を取り戻すための一助となれば幸いです。
当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせて、以下の流れでブルーラジカル治療を進めてまいります。
まずは患者様のお悩みやご希望を詳しくお伺いします。ブルーラジカル治療について、メリット・デメリットを含めて丁寧にご説明いたします。治療費用についてもご説明します。ご納得いただければ治療を開始いたします。
歯周病菌数検査(リアルタイムPCR法)・歯周ポケットの深さ測定、レントゲン撮影、口腔内写真撮影などを行い、歯周病の進行度やお口全体の状態を正確に把握します。
歯科衛生士による歯石除去・歯周病菌の除去を行います。
また、ご自宅での適切な歯磨き(プラークコントロール)が不可欠です。必要に応じて、歯科衛生士による歯磨き指導を行います。
周ポケット内に過酸化水素水を注入し、専用の機器で青色光を照射します。同時に超音波振動でプラークや歯石を除去します。通常、麻酔は不要ですが、痛みに敏感な方には配慮いたします。
治療後、一定期間をおいて歯周組織の状態を再検査し、治療効果を確認します。
治療によって改善した良好な状態を維持するためには、定期的なメンテナンス(プロフェッショナルケアとセルフケア)が非常に重要です。ブルーラジカル治療専用の予防プログラム「ペリミル」を用いて状態が悪くならないよう定期的に管理を行っていきます。
Q1. ブルーラジカル治療は痛いですか?
A1. ほとんど痛みを感じない方が大半です。低濃度の薬剤と弱い光を使用し、歯茎を切開することもないため、麻酔なしで治療可能な場合が多いです。ただし、歯茎の炎症が強い場合などに、わずかにしみるような感覚を覚える方もいらっしゃいます。痛みが心配な場合は、遠慮なくお申し付けください。
Q2. 治療後に気をつけることはありますか?
A2. 治療当日は、刺激の強い食べ物や飲み物(熱いもの、冷たいもの、辛いものなど)を避けていただく方が良い場合があります。また、治療効果を維持するために、日々の丁寧な歯磨き(セルフケア)が非常に重要です。歯科医師や歯科衛生士の指示に従って、正しいケアを継続してください。
Q3. 誰でもブルーラジカル治療を受けられますか?
A3. 基本的に多くの方に受けていただける安全な治療法ですが、以下のような場合は適さない可能性があります。
* 光線過敏症の方
* 使用する薬剤(過酸化水素)に対してアレルギーのある方
* 妊娠中・授乳中の方(安全性が確立されていないため、原則として行いません)
* その他、全身的な疾患をお持ちの方
該当する可能性がある場合は、必ず事前に医師にご相談ください。精密検査の結果、他の治療法がより適切と判断される場合もあります。
Q4. 保険は適用されますか?
A4. ブルーラジカル治療は健康保険適用の対象外となり、自費診療(自由診療)となります。
ブルーラジカル治療は、厚生労働省の認可を受けた先進医療技術ですが、現在のところ健康保険適用の対象外となり、自費診療(自由診療)となります。歯周病専門の衛生士が丁寧にご説明いたします。
1 術前歯周病検査・診査費 ① 歯周病菌数測定検査 (歯周病菌の種類、数を確認) ② お口の中の写真撮影 (歯茎の腫れ、歯並びなどを確認) ③ レントゲン撮影 (歯を支える骨の状態を確認) ④ 歯茎の検査 (歯周ポケット、磨き残し、歯のぐらつきなどを確認) | 44,000円 |
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2 施術費 ① 全部の歯の歯石取り治療 (歯茎の上、歯茎の中) ② ブルーラジカル治療 (16,500円/1歯) ③ 効率の良い歯磨きの仕方のお話 | 77,000円+16,500円 × 施術歯数 ※ソニックケア (音波歯ブラシ)、歯間ブラシ、リペリオ (歯周病薬)、ポイックウォーター (洗口液) は施術費に含む |
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3 術後歯周病検査・診査費 ① 歯周病菌数測定検査 (歯周病菌の種類、数を確認) ② お口の中の写真撮影 (歯茎の腫れ、歯並びなどを確認) ③ レントゲン撮影 (歯を支える骨の状態を確認) ④ 歯茎の検査 (歯周ポケット、磨き残し、歯のぐらつきなどを確認) | 44,000円 |
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※費用はあくまで目安です。お口の状態によって異なりますので、詳細についてはカウンセリング・検査後にご提示する治療計画にてご確認ください。
治療のリスクや副作用:ブルーラジカル治療は歯周病を完全に治癒させたり、歯を支える骨などの歯周組織を再生させる治療ではございません。あらかじめご了承ください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
午後 | △ | ○ | ○ | × | ○ | ● | × |
午前:9:00~12:00
午後:13:30~18:30
△:14:00~18:30
●:13:30~17:00
休診日:木曜・日曜・祝日